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(第4回)通じる英文メールライティング

丸ごと頂き英文メールとは何か?!

 

英語を英語のまま理解する「英語脳」を育てる方法について解説しています。そのポイントはスピードアップと曖昧な状態に慣れることです。詳しくは第1回〜第3回の記事をご覧ください。

(第1回)英語の音をありのままに聞くリスニング
(第2回)英語脳を育てるリーディング
(第3回)英語で考えて話すスピーキング

 

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第4回はライティングです。なかでも書く機会が多いのは英文メールでしょう。これまでと同じく、スピードアップと曖昧な状態に慣れることで、格段に通じる英文を書くことができるようになります。

頭を使って文法と単語から英語を作り出すより、既にあるものを再利用する方が効率的で正確です。音というハードルも無いので、リーディングさえできれば英文メールを書くのは本当に簡単です。

 

誰も読めない日本からの英文メール?!

 

ではなぜ通じない英文を書いてしまうのでしょうか。それは日本語の発想で英語を書いているからです。

アメリカの研究所で勤務していたとき、こんなことがありました。日本から送られてきたメールの意味を聞きに同僚がやってくるのです。確かに英語に見えますが、意味がわかりません。

いろいろ分析して気がつきました。それぞれの単語を一つずつバラバラにして和訳を当てはめてみると、意味が何となく見えてくるのです。1語ずつ日本語を拾い、英語の文法の順序に従って読んでみると、意味が浮かび上がってくるのです。

日本で英語を勉強した私でなければ解読は不可能でした。意味さえわかれば英訳して教えてあげられます。

 

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学校で習った英作文では通じない?!

 

この原因は学校で習う英作文です。文法の構造を考え、そこに和英辞典で引いた英語を当てはめたりしていなかったでしょうか。

この方法で作った英語はほとんど通じません。英語でも日本語でもない人工の言語です。和文英訳した英語は通じないということに気づいていない人は意外に多いようです。

ですから翻訳ソフトを使っても通じません。翻訳ソフトのせいではなく、機械が得られる情報は日本語の文1つだけなので、話し手が置かれている状況や、意図まで知ることができないのです。そのため日本語概念に従った英訳となってしまいます。

スピーキングなら会話をすることによって100% の理解に到達することもできます。コンテキスト(文脈、会話の流れ)から少しずつ正しい理解に近づくことができます。

でもライティングはそうはいきません。状況を的確にとらえ、意図を正しく伝えることが必要です。日本語という記号から、英語という記号に変換すれば、通じる英語ができるのではないことを肝に銘じておく必要があります。

 

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最良の戦略は「丸ごと頂き英文メール」

 

ではどうすれば必ず通じる英文メールが書けるのでしょうか。それはネイティブが書いた英文をそのまま使うことです。自分が言いたいことと同じ英文があれば、そのまま使います。

英文メールがどんな状況で送られたものかについて確認が必要です。ほとんどのケースでは、自分の状況にあわせて修正が必要です。その中から、最も言いたいことに近い英文メールのサンプルを探し、これをテンプレートとして使います。

Googleなどネット検索をすれば、最適なテンプレートは簡単に見つかります。自分の探したいキーワードと”email”で検索してもいいですね。”I’m writing to”というメールの決まり文句で検索することもできます。日頃、英文メールでネイティブとやり取りしている人なら、実際に受信したメールを使うこともできます。あとは自分の言いたい意味の単語と入れ替えます。

 

「丸ごと頂き英文メール」の例

 

商品配送状況を確認するメールから、プロジェクト進捗状況を確認するメールを作ってみましょう。例えば、あなたが過去に受け取ったメールに以下のような文章があったとします。

I am writing to confirm the shipment details on order #18492. From the schedule we’ve discussed, the shipment should be completed by now. However, I have not received the materials.

(注文番号18492の配送詳細について確認するためメールを書いています。議論したスケジュールから、配送は既に完了していなければいけません。しかしながら、まだ何も受け取っておりません。)

配送(shipment) → 進捗(progress)に置き替える
注文(order) → プロジェクト(project)に置き替える
完了(completed) → チェック(checked)に置き替える
期限(by now) → 現在の(for now)に置き替える
もの(materials) → 報告(report)に置き替える

I am writing to confirm the progress details on project. From the schedule we’ve discussed, the progress should be checked for now. However, I have not received the report.

これなら十分に通じる英語です。

 

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書いた英文が通じるかどうかをチェックする!

 

もし心配なら、二重引用符で出来上がった英文を囲い、ネットで検索してみましょう。もしネイティブの間で使われている英文ならヒット数は多くなります。反対にあまり使われていなければ少なくなります。数件ならほぼネイティブには通じないと考えます。

例えば、“I hope you are getting well soon”が約170,000件に対して、“I hope you are recovered soon”は約221件だとします。このとき前者の表現が一般的と判断すればよいわけです。

文法に単語を当てはめて英語を作る苦労に比べて、ずっと頭を使わなくて済む方法です。ぜひ皆さんも試してみてください。

 

「丸ごと頂きメール」を実践するためには?

 

「丸ごと頂き英文メール」を実践するためには、
1.絶対に英作文をしないこと
2.ネイティブが書いた表現をうまく自分流に修正して使うこと
3.その英語表現でネット検索して確かめてみること
に気をつけます。通じる英文メールを書くためのコツです。

簡単な英文メール作成法ですが、必要なスキルがあります。今の状況に最も近く、伝えたい意図に近い英文メールを発見することです。

素早く、大意を理解するリーディング力が無いと、肝心なテンプレートが手に入りません。日本語から発想して英作文していたとき、ライティングとリーディングは関係ありませんでしたが、丸ごと頂き英文メールではリーディング・スキルが欠かせません。リーディングは英語を使いこなすための基礎なのです。

 

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ネイティブからの英文メールは保存しておく

 

もし皆さんが仕事で英文メールを受け取る機会があるなら、その英文メールは宝の山だと考えてください。メールが使われている状況は、まさに自分が置かれている状況そのものだからです。

クレーム、お礼などの状況別に分類してフォルダーに保存しておきましょう。次に自分が送るときには、状況から意図まですべてを理解しているテンプレートとして使えます。

また送信者のなかには、クレームを上手く言ってくる人、お礼に心がこもっていて良い印象を残す人など、様々な個性があります。こうした個性を活かすなら、状況別ではなく個人名のフォルダーにしておくといいですね。

いつもクレームメールを送ってきて、メールを開くのも嫌だという人も、クレームメールの書き方を教えてくれる先生だと考えると、ストレスも軽くなります。むしろとても有り難い存在ともいえます。

 

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さらにライティングスキルを磨きたい方へ

 

さて資料やプレゼンテーションなど、英文メール以外に、多くの場面でライティングを必要とされている方は、ライティングはネイティブも苦労するということも知っておくと励みになります。

アメリカでは、英語(日本における国語)教育を、民主主義の基本であるコミュニケーションを支える重要な科目と考えています。人の意見を聞いて、正しく理解し、自分の意見をまとめて正しく伝えるスキルです。きちんと英語で相手の意見を聞き、自らも発言していきます。

そういうこともあって、ある州では英語の先生が社会科も教えます。私が住んでいた地域の社会科の先生は、テストの解答が正しくても、冠詞の使い方を間違っているだけで減点していました。聞いてみると地域の名物先生で、通っている子供たちの親もまた、同じ先生に添削してもらっていました。

日本の国語の作文で、これほど添削をされた記憶はありません。私の覚えている限り「気持ちがよく表現されていますね」など、主観的なことが多く、国語を正しく書くトレーニングはあまりしないようです。

自分は何を書きたいのか、それを日本語(国語)で正確に伝えたいという思いがあるか、まず確認してみてください。その延長線上により高度な英語ライティングがあります。

 

英文メールの書き方から学ぶ英語学習法の極意

 

これまでの4回で、英語の4つのスキルを学習する基本的な考え方について解説してみました。方法はとてもシンプルです。決して単語を覚えたり、文法を使って英文を解析したりなどしません。

例えば、英文メールの書き方をまとめてみると

1.ネイティブが発信した英語表現をそのまま頂く

2.その英語表現が使われている状況を理解する

3.自分が言いたいことにあわせて単語を入れ替える

4.そのまま書いて伝える

ということでした。これはスピーキングでも同じです。最後の「書いて伝える」を「声に出して伝える」と変えるだけです。

更に1の英語表現をそのまま頂くためには、

5.音を聞き取ることと、リーディングをトレーニングする

が追加されます。

そして5の音を聞き、リーディングを鍛えるためには、

6.スピードを大切にする

7.曖昧な状態を大切にする

ことが重要です。これにより英語を英語で理解できるようになる「英語脳」が育っていきます。

具体的には、

8.辞書を引かずに想像してみる

9.想像したことで意味が通ればOK(不安なら辞書を引く)

10.文章の大意を理解する

11.わからなければスキップ

ということです。頭を使わない簡単な学習法です。英語の4つのスキルはお互いに密接に関連しあっていることも理解できると思います。

単語や文法を気にするあまり考え込んでしまう効率の悪い学習法は今すぐ捨て、わからないものを想像してみる、意味が通らなければスキップする、その繰り返しが英語脳を育てる、という意識を持つことができれば、人生が変わる英語体験ができるでしょう。

(第1回)英語の音をありのままに聞くリスニング
(第2回)英語脳を育てるリーディング
(第3回)英語で考えて話すスピーキング

(第4回)通じる英文メールライティング
(第5回)英語の学習に日本語は必要か?

質問があればいつでもinfo@funlearning.co.jpへお寄せ下さい。

「Fun英語」英語力強化ワークショップ

 

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