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語学学校の先生が語る日本人 ~こうやって見られています~

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友人が8月から語学学校で臨時講師を始めました。日本の夏休みに合わせて拡大した1カ月だけのプログラムのための講師だそうです。

配属されたのはエレメンタリークラス、8つあるレベルの下から2番目のクラスです。15人いる生徒のうち1人の中国人を除いて生徒は全員日本人、年齢は14歳~40歳位までのクラスだそうです。

彼は、以前にも語学学校での講師経験があったのですが、日本人がこれほど多いクラスは初めてで、初日にしてランチタイムに泣きの電話を掛けてきました。日本人の生徒にどう接したらいいのかわからず困っているとのことで、アドバイスが欲しいとのことでした。

では、日本人の生徒が彼を参らせてしまった理由とはなんだったのでしょう?今回は彼が困ってしまった原因についてお話します。

 

理解しているのかいないのかわからない

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最初のクラス、彼は意気揚々とクラスへ入り、「Hello everyone!」と挨拶をし、その後簡単な自己紹介をしました。するとそこには15人の生徒がいるのに、誰もがまるで彼が見えないかのように教室が静まり返り誰も何も反応しなかったそうです。笑顔すらも送ってこないのだということです。

この最初の数秒で、彼は完全に恐怖感を植えられてしまったようです。

その後、何を話しても誰も反応せず、質問をしても誰も答えず・・・・彼と目を合わせることすらせず、ひたすら下を向いていたそうです。90分の授業で彼の質問に誰か一人でも答えたのは3回だけだったそうです。おかげで喉はカラカラ、風邪を引いたように喉が痛くなってしまったようです。

「日本の人は、何をしに来ているのだろう・・・・?」これが純粋な彼の疑問でした。

 

 匿名なら主張ができる?!

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午前中の2時限を終え、ランチタイムに入る前に彼は校長先生に呼ばれました。どうやら生徒の一人から授業内容が簡単すぎるとクレームが入ったとのことです。

正直とても驚いたそうです。まず、彼の話に反応がなく理解しているとは到底思えず、授業を進めるにつれ段々簡単な内容にしていったのに、彼らが逆を望んでいたこと。それから、大人しく何も言ってこなかった人々が、わざわざ校長先生までクレームを入れに入ったこと。なんだか彼には主張どころか意見すら出来ないのに、クレームは入れられるのかと憤慨していました。

 

 誰を指しているのかを明確に

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そんな彼の相談に、まず質問をする際に全員に向けて質問すると誰も返事をしないから、名指しで質問をするようアドバイスをしました。私達日本人は自ら自由に発言する機会を学生の時から与えられていないため、皆に向けてという質問に発言することは不可能だと話しました。その代わり、きちんと一人ずつ、あなたはどう思う?と言ったように名指しで質問していくと、きっと答えるよと話しました。

それを聞いた彼は午後の授業で名札を全員に付け、名指しで質問をぶつけたそうです。そして見事全員がきちんと答えを彼に返してきたそうです。話さないだけで理解できていたのだということにとても驚いたそうです。

私達日本人は、基本的にヒアリング力はいいのですが、スピーキング力というか自己表現力が他の国の方に比べ著しく乏しいのも事実です。従って語学学校などでは理解できているのに、自己主張ができないばかりに他の国の理解できていない生徒が話すめちゃくちゃな意見を黙って聞いているだけといった日本人がとても多いのです。もったいないと思いませんか?

 

 知っていることがキーワード

彼にもう一つ、山手線ゲームをウォーミングアップとして勧めてみました。お題は少しグローバルに「国の名前」「英語の人の名前」それから「野菜の名前」「動物の名前」等をチョイスし、お題を出してから3分程時間を与え、知っているものの単語を英語で書きとめてもいいとしました。

彼が「山手線ゲーム」と発言しただけで、皆さんがざわざわしだすのがわかり、張り切ってゲームをしてくれたそうです。また私のことも話題に出して、少し日本の事を話したら、急に打ち解けてきて色々と話してくれるようになったそうです。

私達日本人には私達が知っていることからアプローチするのが一番だよと話しました。よく観光地へ行くと、その時流行った芸人さんのギャグ等をして客引きをする店の方がいて、それを見ると「またか」と思いつつ、何だか嬉しくなりませんか?きっと親近感がグッと湧くのだと思います。

 

 ひとたび溶け込むととてもやりやすい

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授業が全て終わり、彼が連絡をしてきてくれました。午後の授業で少し生徒と打ち解けた感じがすると話していました。そしてひとたび溶け込むととても話しやすく楽しい子ばかりだったと彼は話していました。

以前に彼が講師をしていた際に、ヨーロッパや南米の生徒の主張が激しいと聞いたことがあります。協調性がなく主張が多く、こういった生徒がいると日本人は飲み込まれてしまって同じ金額を払ってクラスを受講しているのにこれでは不公平だと話していました。国民性だから仕方ありませんが、そのあたりあらかじめ考慮して授業を進めている先生も多いようですので、日本人のいない学校が必ずしも自身のためになると思ったら、それは違うのかもしれません。

 

 嫌われる行為

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とにかく黙っていることはとても嫌がられますが、そのほかに授業中に内緒話をしてクスクスと笑っている子がいたので、それはこの国ではとても失礼にあたる行為だと注意したそうです。

以前、日本の学校には授業中に寝ている子がいると知ってショックを受けた子がいたという話をさせていただきましたが、とにかく学生のうちでも興味のある姿勢で勉強をしないと瞬く間に授業から置いて行かれ、学校などでは簡単に留年をさせるのがこの国。そして教師も日本の先生ほど親切ではないので、そういった生徒は放っておかれた上にその責任は個人にかかってきます。とにかく子供でも真摯な態度で授業を受けないと、先生の眼中に入れてもらえないのですね。

 

 おわりに ~先生も人間です~

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日本の生徒はとにかく見た目にも発言にも特徴がなく、どの生徒よりも名前を覚えるのが遅れると以前彼が話していたのを聞いたことがあります。なぜこんなに意欲がないのにわざわざ外国まで来て勉強しているのだろう?といつも不思議に思うとのことです。

そう思わせてしまうのは、その生徒さん達が悪いわけではない、日本の学校の教育事情が絡んでいるのだと思いますが、授業のスタイルが欧米諸国と違いすぎて講師と生徒、双方ともに戸惑うことが多いようです。

先生も人間、返事がなければ悲しくなるし、自分の授業に興味がない相手には興味を持てないのだと彼は主張していました。日本の英会話学校も同じことが言えると思いますが、先生を別物として考えがちな私達日本人は特に、先生と人間同士の付き合いが出来るよう気を付けて向き合うと、もっと学習することが楽しくなり新しい発見も増えるのかもしれませんね!

 

About white

日本でシステムエンジニアとして8年働いたところで、急に思い立って職業給付金を利用し英語学校へ1年行き、アメリカのアダルトスクールでの3か月短期留学を経験。 その後、ワーキングホリデービザにてオーストラリアへ渡豪し、一度日本に戻るも一年後にIBM Australiaへ再就職し渡豪、オーストラリア人と結婚し現在1児の母として奮闘中。 英会話講師の家へホームステイ、オーストラリアでの各種短期留学受付中です。詳しくは→http://www.ab.auone-net.jp/~aus-life/