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日本人夫婦の見られ方 ~アメリカ生まれの日本人少女の考察~

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以前アメリカで、ご両親が日本人の娘さんでアメリカで生まれ育った少女と出会いました。当時彼女は11歳、まだ小学生の可愛い女の子でした。

ちょうど学校でも男女が別々に遊んだりお互いを意識し始める頃、心身の成長と共に少し心が不安定になっていたのか、私はこの少女から相談を受ける機会が何度かありました。

彼女のご両親はごく普通の日本人夫婦、もう結婚して20年以上仲良く暮らしているご夫婦でしたが、そこに海外で生まれた日系の子供が持つ特有の悩みがあったわけです。

それでは彼女はどんなことに悩んでいたのでしょうか?今回は、外国に住んでいると不思議に思ったり随分違うと感じる日本人夫婦の関係について、彼女の相談内容をもとにお話したいと思います。

 

どうしてお母さんはお父さんの悪口を言うの?

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最初に彼女が私に聞いてきたことが、「どうしてお母さんはお父さんの悪口を皆の前で言うの?」でした。日本には謙遜や身内を卑下するような発言をする習慣がありますので、当然夫婦間や子供はその対象になるのですが、アメリカでは基本子供などは人前でも堂々と褒めちぎります。

それでいて自分の両親だけは、子供である自分のことも夫婦間のことも褒めないばかりかお友達の前で旦那さんや子供の悪口を言うようなことをなぜするのか?と彼女は悲しくなったそうです。

彼女はまだ11歳、そんな文化を理解するのはとても難しいと感じましたが、日本では、露骨に身内を褒めると反発されたり嫉妬されたりすることがあるため、それを避けるためにわざわざ自分を含めた身内を悪く表現することがある。そして、それは裏を返せば家族を信頼した上で出来る愛情の証でもあるのだということを伝えました。

 

お別れのキスをしないのは不仲夫婦?

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そんな相談を受けてしまい気になったので、彼女のお母様に話をしてみました。すると以前にも気になることがあったとのことでした。

彼女が幼稚園に行き始めた頃、今まで習慣になかったお別れのキスをご両親にしてくるようになりました。お母様とバイバイする時もそうですが、お父様が仕事に出かける際も両親にキスをしてきていたそうです。

パパとバイバイをするのだから、ママとはチューしなくてもよくない?と尋ねたところ、「パパがママにしない代わりに私がしてあげるの。」と言われたそうです。

その時に気にはなったのですが、何となくそのままにしていたら、小学校に入ってから「どうしてママとパパはバイバイのチューをしないの?嫌いになっちゃったの?」と聞かれドキッとしたそうです。

幼稚園や学校で周りのお友達のご両親がお別れのキスをするのを見て、おそらく疑問に感じたのだろうとのことですが、今になってお別れのキスもないなと思ってね・・・・とお母様は照れていらっしゃいましたが、結局「そんなことないわよ。」と返事したままだそうです。

 

恥ずかしいから部屋から出てこないで!

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さらにこのお母様はこんな話もしてくれました。

少し前に彼女のお友達が遊びに来た際に、キッチンで夕食の準備をしていたお母様は、彼女に「友達が来ている間は自分の部屋に入っていて!」と言われたようです。とりあえず料理はひと段落していたので自室でテレビを見ていたらしいのですが、お友達が帰った後どうして?と聞くと、「英語が話せないお母さんが恥ずかしいから。」と言われたそうです。

それを聞いた時、私には子供がいませんでしたがとてもショックを受けたのを覚えています。相手はまだ小学生、確かにお母様がしてきた苦労や経験はまだ理解できない歳で、ただ素直に恥ずかしいと思っただけなのかもしれませんが、親としてはとっても悲しい出来事だったのだろうなと今でも思います。

特に日本人同士のご両親の間に生まれる子供は、たいてい家の中では日本語を使用しますので、英語の発達は他の子に比べだいぶ遅くなります。小さいころから選択肢もなしに2ヶ国語を頭の中に入れられ、通常の勉強は人並みにしなくてはならないのです。さらにご両親が英語をあまり得意としない場合、小さいころから家の電話を取ったり先生とご両親の間に入って通訳をさせられたり、もっとひどいと自分の子供手当の手続きを自分でさせられたり・・・・といったような話も聞きますので、不公平だと感じる子も多いですよね!?

 

白髪をきれいに染めてきてよ

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もうひとつ、彼女のエピソードで「ただでさえアジア人は黒髪で目立つのだから、白髪が目立たないように毎月美容院は行ってね。」とお母様が言われたこともあると話していました。

どうしても見た目や恰好が気になる年頃です。白髪が生え始めてきた他のママと雰囲気の違う母親、ましてやアジア人の英語が上手に話せない親を持つ子供も、そういった環境に子供を置いているご両親もつらい時期だったのだろうなと察します。

 

それでも絆の強さを感じます

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表面的なスキンシップや愛情表現は、もしかしたら欧米人のほうが数段上手なのかもしれません。しかし相手を思いやる心や相手の立場に立てる心は私達日本人だって十分持ち合わせておりますし、それを受ける側にその気持ちを感じられる心があるかないかで心の豊かさが違ってくるような気もします。

目に見える優しさ、口に出す愛情深さを、欧米人をコピーして表現する日本の方もいらっしゃいますが、私はもっと内側からにじみ出てくるような愛情を大切に、また我が子にもそれをくみ取れる感受性の豊かさを持たせてあげたいなと感じます。

日本人特有の奥ゆかしさや羞恥心、思いやりを持って接することで、それに慣れずに育った国の方々でも私達の気持は伝わるはず。日本人というアイデンティティーを持ちつつ周りの文化と融合して、より美しく豊かな人間になれるといいですね!

 

About white

日本でシステムエンジニアとして8年働いたところで、急に思い立って職業給付金を利用し英語学校へ1年行き、アメリカのアダルトスクールでの3か月短期留学を経験。 その後、ワーキングホリデービザにてオーストラリアへ渡豪し、一度日本に戻るも一年後にIBM Australiaへ再就職し渡豪、オーストラリア人と結婚し現在1児の母として奮闘中。 英会話講師の家へホームステイ、オーストラリアでの各種短期留学受付中です。詳しくは→http://www.ab.auone-net.jp/~aus-life/