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<体験談>アダルトスクールのESLってこんなところ Vol.2

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以前、サンディエゴにあるアダルトスクールのESL(English as a Second Language:英語を母国語としない人のための語学学校)について紹介させて頂いたことがありました。アメリカ各地にあるアダルトスクールのESLは移民のためのもので、学校に対してアメリカ政府から補助金が出るため、低料金で英語の授業を受けることが可能になっています。

私はこの9月からサンフランシスコのベイエリアにあるESLへ通い始めました。同じカリフォルニア州ということもあり、申し込み方法などはサンディエゴのESLとほぼ同じでした。手続きの詳細などはサンディエゴのESL体験談を参考にしてください。

一つ大きく違った点は、ベイエリアのESLでは今期から費用が無料になったことです。週に4回、9時〜12時の授業を無料で受講することができるのです。

 

ESLの授業って、どんなことをするの?

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ひとクラスの生徒は30人ほどで、下は18才から上は曾孫のいるおじいちゃん、おばあちゃん世代まで、国籍を含め実に様々な生徒が集まっています。最初にクラス分けテストを行うのである程度英語レベルが近い人と同じクラスになりますが、実際に参加してみて授業レベルが自分に合わないと感じた場合には、先生に相談してクラスの移動をさせてもらうことも可能です。

授業の内容はコンバセーション、グラマー、ボキャブラリー、リーディング、リスニングと多岐に渡ります。授業はプリントやテキストを使用して進んでいきます。テキストは貸してもらえるので買う必要はありません。

ESLで実際に使用しているテキストをブログで紹介しています。興味のある方は、ご覧ください→「アメリカのESLで使用しているテキストのご紹介」

 

クラスメイトが多国籍なESL

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日本にある英語教室とアメリカのESLの大きな違いは、生徒が多国籍なところです。

日本人どうしなら常識や価値観など説明をしなくても分かり合える面がありますが、様々な国籍の生徒が集うESLではきちんと説明をしないと分かってもらえないことも多いです。生徒どうしの共通言語は英語のみですから、必然的に英語を話す機会が多くなります。

英語レベルの面から見てみると、日本人や韓国人は文法に強いです。しかし、会話になると度胸とボキャブラリー数で他国の生徒に負けている気がします。授業中に質問がある場合には手を挙げて質問をすることができるのですが、30人ほどいるクラスの中で質問をするには、かなり大きな声を出さないと先生に気が付いてもらえません。サンディエゴのESLでもそうだったのですが、ヒスパニック系出身の生徒はどんな時でも臆せずどんどん発言をします。会話もスムーズで英語は良くできる印象なのですが、文法については初歩的な質問をされることもあります。

 

様々なアクセントのある英語に触れることができる

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インドや中東のアクセントが混ざる英語は日本人にはとても聞き取りにくく、クラスメイトが質問をした内容が聞き取れないことはしょっちゅうです。アクセントのある英語を聞き取れないのは私だけではないようで、一人が発言をすると「What did she say?」と質問が飛び交うこともよくあります。

海外で生活をするとなるとコミュニケーションを取る相手はネイティブスピーカーのみとは限りませんから、アクセントのある英語に触れることができるのはESLの良いところでもあります。ただ、ネイティブの友人を作ってネイティブの英語に触れる時間を増やしたいという場合には、ESLではなく趣味のクラスなどに参加するのも1つの方法だと思います。

 

文法を英語で勉強してみる

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アメリカのESLへ通うようになって一番新鮮に感じたことは、文法を英語で勉強するということです。ネイティブの人たちは、文法の勉強をする際に5文型を習わないことを知っていましたか?

我が家の長男はアメリカで日本語の勉強をしており、子供が使っている日本語のテキストに「U-verb」と「Ru-verb」という項目が出てきます。質問をされてこの項目を読んでみましたが、日本語を母国語とする私には「U-verb」と「Ru-verb」を理解することはとても難しく感じました。

「読む」、「話す」などは「U-verb」に分類され、「ます」を付けるときに言葉の終わりを「読みます」「話します」のように、ウ行からイ行に変える必要があります。「食べる」、「寝る」などは「Ru-verb」であり、「ます」を付ける場合には「食べます」、「寝ます」のように「る」を取って「ます」を付けます。

日本語を母国語とする人の中では、日本語教師以外の人で「U-verb」と「Ru-verb」について知っている人はほとんどいないと思います。それは何故かというと、文法を学ぶ方法には母国語として学ぶ方法と外国語として学ぶ方法の2通りがあるからです。

ネイティブの人が習う文法で受動態はpassive、動名詞はgerund、現在完了はpresent perfectというように、日本で教えられているのと同じ方法で習うものも、もちろんあります。present perfectと聞いてピンと来なくても日本語で知識がある文法であれば、その意味を調べて「なるほど。現在完了のことね」などと理解できることもあります。

日本で教えられている文法の勉強方法には日本独特のものもありますから、今まで文法が苦手だと思っていた人はネイティブの小学生用のグラマーテキストを使ってネイティブ式に勉強してみるのも良いかもしれません。

 

日本人は自由回答問題に弱い!?

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ESLで使われているリーディングテキストの設問には、読んだ記事に関して「Write about yourself」という、自分自身について書くものが入っていることがあります。私はこういった設問が苦手です。英文記事に書かれている内容から答えを探し出すことは得意でも、自分で答えを考えないといけない問題が苦手な日本人は多いのではないかと思います。

思い返してみると、私が受けて来た日本の教育では、自分自身の考えについて皆の前で発表するという機会はほとんどありませんでした。クラスメイトと話し合う倫理や道徳の時間でも「こうあるべき」というお手本の答えを皆で導き出してきたような記憶があります。なので、正しい答えがない設問でも一般的に正しいと思える答えを探して書きたくなってしまうのです。ですが、ESLのクラスメイトの答えを聞いていると、それぞれ個性がありとてもユニークです。

自分の生涯のパートナーにはどんなことを求めるかという自由回答形式の設問があった時には、各国の生徒たちは実際の自分のパートナーがいかに素晴らしい人かという回答をしているのに対し、私は「優しい」、「経済的に安定している」など、ごく一般的に求められるような回答を書いていました。

こういう場面に遭遇すると、皆同じが良いとされている日本の教育が自分に染み付いてしまっていることを実感させられます。

 

独学 or 英語教室?

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私は去年1年間、通信教育を受講し自宅で翻訳の勉強をしていました。ESLへ通い始めて3週間が経ちましたが、教室へ通うほうがよっぽど勉強がはかどるということを実感しました。共に英語を勉強する仲間がいることで、モチベーションも上がります。英語を勉強するのに最適な方法は個人のスケジュールや性格などにもより変わってくるとは思いますが、英語力に伸び悩んでいる人は、ワークショップや体験教室に参加してみるなどして、新しい環境に飛び込んでみるのも良いのではないでしょうか。