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ベルギー大好き!その奥深い魅力と言語背景

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Kaorinです。ベルギーは日本人にはチョコレートで有名な国ですが、まだまだフランスやイタリア、ドイツに比べると日本からは馴染みの薄い国です。音楽祭の取材でベルギー往復・滞在をしていた経験からベルギーの魅力、歴史的特徴を述べて行きます。

その1 ベルギーってどんな国?

ベルギーは「ヨーロッパのおへそ」と呼ばれており、実際フランス、ドイツ、オランダと隣り合っていて、地図上でもヨーロッパの中心に位置しています。公用語は英語、フランス語、フラマン語です。フラマン語とはベルギー風オランダ語で、この三か国語が同居している事がベルギーの特徴と言えます。

ベルギーは プロテスタントのオランダからカトリックの国として独立を勝ち取りました。そして国内では 言語紛争という歴史を持つ国でも有名で、未だにそれは長く尾を引き、ブリュッセルからはっきり南北に言語の境界線が引かれています。南のワロン地方はフランス語圏、ブリュッセルから北側はフラマン語圏に別れています。日本人に人気のファッションの街、アントワープは北側ですからフラマン語圏に位置しています。

 

その2 ベルギーの交通機関の特徴

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ベルギーはフランス、ドイツ、イタリア等のメジャーなヨーロッパ諸国に比べるとややローカルな匂いのする国ですが、おしゃれ度ではひけをとりません。デザインが非常にスマートだったりします。ドリス・ヴァン・ノッテンを初めとしたアントワープのデザイナー6人衆でも有名ですね。そういった感性は至る所に見る事が出来ます。古い厳めしさの中の近代的なモダニズム、それがベルギーの魅力です。街中を走るトラムはとてもヨーロッパらしさを満喫できる乗り物です。さて、画像はブリュッセルのトラム(路面電車)ですが、 特にブリュッセルでトラムに乗る際に気をつけなければいけないのは駅名です。ブリュッセルでは一つの駅名に二つの言語表記があります。フランス語とフラマン語です。これが厄介で「アルロワで降りてね」と教わったとします。そのつもりでいると、アルロアはフラマン語ではクンストヴェットなのです。Arts-Loi = Kunst-Wetどこも似てない言語なので、日本人にとっては降り間違い、乗り過ごしはよくする間違いでどれがスタンダード、というのが分かりにくいです。

 

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上の画像は鉄道、トラム、地下鉄の総合地図になるのですが、先ほどの「アルロア」停留所は地図中央の赤丸で見える事と思います。左上のブリュッセル中央駅はどちらの綴りも分かりやすいのでホッとします。

 

その3 美術館内でも三か国〜四カ国語表記。

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上のパネルはベルギー王立美術館内の説明看板ですが、19世紀〜20世紀の絵画のある部屋への誘導パネルです。一番上がフランス語。二番目がフラマン語。そして三番目が英語表記になります。4番目はドイツ語表記の略語。近年では日本でも駅名や看板が日本語、英語、中国語、韓国語、と4カ国語表記になってきましたから、若い方にはこういう表記も抵抗がないかもしれません。

しかし日本人に馴染みのない言語が上位二つを占領していると、すぐには意味が目に入ってこない、というのが正直な感覚です。

その4 ブリュッセル以外は北も南も英語が通じないベルギー

ベルギーの言語紛争の歴史は深く、ベルギー王国がオランダから独立した1830年に遡ります。独立当時は南部のワロン地域は石炭が豊富で勢力が強く、公用語はフランス語でした。しかし、石炭社会から石油社会に変わり、石炭が豊富だったワロンの価値は下がってしまい、逆に北側のフラマン語圏の勢力が自動車産業と共にどんどん増大したのです。ブリュッセルだけは特殊で、英語、フランス語、フラマン語が日常的に流通し、ブリュッセルで仕事に就く人々はこの三か国語を使える事が必須となります。旅行者がツアーではなく滞在する場合はブリュッセルが一番言葉的には安心して滞在できます。英語が通じるからです。一方で南へ下ればワロン地方はフランス語圏。北へ登ればフランドル地方はフラマン語(オランダ語)圏となるわけで、例えばアントワープなどは完全なフラマン語圏になり、スーパーマーケットでも英語表記がほとんどありません。もちろん大きなデパートやブティックでは英語は通じますが、ちょっと奥まったローカルな場所では英語が通じない事は多いのです。

 

その5 オランダ語は今や日本人にはとても馴染みの薄い言語だけれど…

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かつて日本に外国語が入って来た時にオランダ語は最も馴染みがある言語でした。蘭学が医学書として入って来たからです。しかし時代が流れて現在に至ると、英語が世界的に主流になり、日本でのオランダ語はもう忘れられた存在。しかしながら現在のベルギーではすでにフラマン語圏の勢力は国全体で60%に達しており、もはやベルギーはフランス語優位ではありません。

 

まとめ=この一冊でベルギーの北も南も大丈夫

という風に書いて来ると、ブリュッセル以外では英語しか話せない人はどうしたら良いの?という感じにもなりますが、不思議なもので、南に行っても北に行ってもそれなりに楽しめるものです。それはベルギーの国民性がおおらかだからです。ただ、驚くほど英語が通じなくて困った!という経験も何度もしました。ですのでやはり便利な現地会話のガイドブックを一冊挙げておきます。

 

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これがあれば個人旅行でも何とかなるでしょう。今回はベルギーの歴史的背景から言語的な特徴を述べました。ベルギーの奥深さはまだまだたくさんあります。その多面的な魅力を少しずつこれから皆さんにお伝えして行こうと思います。お楽しみに。

 

About 鍋島 佳緒里

小さい頃から、IBMが日本に招聘したイギリス人講師が自宅にステイするという家庭で育つ。感覚的に英語を習得したため発音だけは良いがグラマーやリーディングに苦手意識が残る。音楽制作の仕事に従事し、海外の音楽祭取材などで一年の内2ヶ月をヨーロッパで過ごす数年間の経験を経て、現在はNY在住のアメリカ人パートナーとの遠距離を克服しながら毎日英語を使う日々。 TOEICで高得点を取るビジネス英語に注目するだけではなく、日常的にエレガントで社交的なマナーを持って国際人としてウィットのある会話するのをモットーとしている。フランス語も中級。デンマーク映画に夢中。日本在住。「なめらかな発音と言い回しをゲットするレッスン」はinfo@a-tfactory.co.jpまで。