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こんな時、こんな場所では堂々と過ごせない ~日本人であるがゆえ~

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私の住むオーストラリアではマルチカルチャーが根付いていますので、沢山の国の方を色々なシーンで見かけます。アジア人も多いですし、ヨーロッパ系の方々も多くいらっしゃいます。学生さんなどは南米系の方が多く、最近では中東系の方やアフリカ系の方もちらほら見かけるようになりました。

しかし、とはいっても数十年前まで白豪主義だった国、まったく差別がないと言えば嘘になるかもしれません。

今回は、私達日本人が踏み入れてしまうと気まずくなってしまうような時や場所についてお話したいと思います。

 

RSLクラブ

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街のあちこちにRSLクラブという建物があります。レストランやバー、ポーカーマシーンなどがあり、時にはフィットネスクラブなども併設されています。これは何かというと、「Retirement(リタイヤメント)Soldier(ソルジャー)Club(クラブ)」の略で、退役軍人さんのための施設なのです。

とはいえメンバーズカードを作成すれば誰でも入場はでき、比較的安価でオーストラリアならではの食事が楽しめるのですが・・・・

やはりここは軍人さんの集まり、ましてやお酒を飲んでいらっしゃる方も多いのです。時には世界大戦時、敵国だった日本人は疎ましく思われることもあるようで、酔っ払った元軍人の男性から絡まれたことがあるという方も少なくありません。

また入口に、当時のアーミーユニフォームやヘルメット、国旗などが展示されていることもあり、何とも前を通るのは申し訳ないような気分になってしまうのは・・・・私だけでしょうか?

 

介護施設

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友人が、そろそろ現地で使える資格をと介護福祉(Aged Care)の資格を取りました。慣れない英語に合わせて聞きなれない専門用語のオンパレードで、相当努力して3カ月で学校を修了しました。

そして、やっとワークエクスペリエンスという実務課題に入り、実際にある介護施設で研修する段階になって彼女は愕然としました。なぜかというと、やはり戦争の名残があり日本人の受け入れは難しいと軒並み断られてしまったのです。

少なくとも採用する側に偏見等はないようなのですが、相手は70~90代の方々です。アルツハイマーを患っている方も多く、以前にも韓国の方が日本人と間違えられ、興奮した患者さんから刃物で刺されそうになったそうです。そんな面倒なことを避けるため、あらかじめ採用しないようにしているのだというように聞かされたそうです。

結局彼女は20社以上お伺いを立てて、全てに断られてしまったそうです。

自分の実力で仕事が見つからないならまだしも、そういった歴史背景から働くことを拒否されるのはたまらないなぁ~とひどく落ち込んでいたのを今でも覚えています。

 

ANZAC DAY

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もう一つ戦争関連です。ANZAC DAYという日があります。オーストラリア、ニュージーランド軍の兵士と第一次世界大戦に尽力した人々を追悼する祭日です。

日本軍は第一次世界大戦時にはオーストラリアと同盟国にあったはずなのですが、第二次世界大戦の名残があるのでしょうか?ANZAC DAYに街へ出たり公共の交通機関に乗ったりすると、稀に酔っ払っている方から攻撃されることがあります。

以前友人が、軍服にメダルを何列も付けたような方に電車の中でからまれたとのことで、それを聞いてから恐くて一人で外も歩けなくなってしまいました。

 

テレビのドキュメンタリー

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テレビのドキュメンタリーでは、たまにこんな話題の討論をしています。こんなトピックのTVショーが放送された翌日は、学校や職場で日本人であるがゆえに注目を浴び、嫌な思いをしている人が多いとのことです。

 

・従軍慰安婦

定期的に放送される歴史ドキュメンタリーで、こちらの話題は比較的多く取り扱われます。特に今年の2月に在オーストラリアの韓国系、中国系の市民団体が連携して、シドニーへ慰安婦像の設置許可を求める申請を出したことが原因で、この話題が一気に取りざたされてしまいました。

もともとこの話題には関心のなかったオーストラリアですので、韓国、中国の主張する歴史観をそのまま取り上げ日本側を批評する記事が書かれたりもしましたし、テレビでは実際に日本人の元軍人の方がインタビューしているのを見て、言い訳がましいと嫌悪感を持つ方は多いようです。

 

・捕鯨問題

長い間論争を繰り返している捕鯨問題。動物愛護や環境問題に敏感なオーストラリア人ですので、ほとんどが反捕鯨派です。この問題が原因で、学校でいじめにあってしまった日本人学生がいるという心の痛む話を何度か耳にしました。

 

・ハーグ条約

こちらも去年日本がハーグ条約への加盟を決めたことで話題にのぼり、ドキュメンタリーも多く放送されました。

 

オーストラリアでは離婚した夫婦に子供がいた場合、共同親権といって夫婦共が子供の親権を所持し、成人するまでは共同で子供を育てるような形を取ります。従って、国際結婚の場合、パートナーの了承なしに子供を国外に連れだしたり引っ越し(帰国)したりすることは法律違反となります。

ところが、離婚後に子供を無断で日本へ連れ出してしまう日本人が多く、パートナーから誘拐ということで通報され指名手配になっている日本人がとても多かったのです。それを防ぐために日本でもハーグ条約に加盟するという現状に至っています。

そんな折のドキュメンタリー、子供を連れて帰ってしまった日本人の住所をつきとめて、実際に家まで説得に行くというドキュメンタリーが多く、まともに説得に応じず訪ねても居留守を使う日本人の姿がしっかりとテレビに映ってしまっています。そんな時、そーっとチャンネルを変えたい心境になるのです。

 

深い話を英語でするのが難しいなら・・・・

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そういった状況で、なかなか英語を駆使して日本の状況を伝えたり相手を説得するのは難しいところ。では簡単にその場をしのぐには、どんな風に伝えたら良いのでしょう?

・It’s not that simple. We have another story from our side.

それほど簡単な問題じゃないのです。私達側が主張する事実もあるのです。

・It’s more complicated. It involves our history and culture.

もっと複雑なのです。歴史や習慣も関わってくることなので・・・

・It’s hard to explain. But it’s not the only fact in the case.

説明するのは難しいのですが、それだけが事実ではないのです。

 

さいごに

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どこの国の人々でも、国ごとのステレオタイプというのは持っているもの。その人や国の教育の受け方によって違った角度から事実を見ている場合もありますが、それは仕方のないことです。

実はその人が関わった一人の外国人をその国の代表として見てしまうことも多く、その一人の印象を国全体の印象として見てしまっている方が多いのも事実です。

関わる人に、出来るだけ良い日本人の印象を持ってもらうよう、一人ひとりが日本人のポジティブな部分をアピールできるといいですね!

 

About white

日本でシステムエンジニアとして8年働いたところで、急に思い立って職業給付金を利用し英語学校へ1年行き、アメリカのアダルトスクールでの3か月短期留学を経験。 その後、ワーキングホリデービザにてオーストラリアへ渡豪し、一度日本に戻るも一年後にIBM Australiaへ再就職し渡豪、オーストラリア人と結婚し現在1児の母として奮闘中。 英会話講師の家へホームステイ、オーストラリアでの各種短期留学受付中です。詳しくは→http://www.ab.auone-net.jp/~aus-life/